3月3日から12日の日程で開催された第12回大阪アジアン映画祭では、香港映画がグランプリ(最優秀作品賞)をはじめとする主要な賞を総なめにしました。
ウォン・ジョン監督の『一念無明』がグランプリに輝き、デレク・ツァン監督の『七月と安生』はABC賞を、キーレン・パン監督の『29+1』は観客賞をそれぞれ受賞しました。また、来るべき才能賞は、『姉妹関係』での演技が評価された女優のフィッシュ・リウに贈られました。
今年も香港経済貿易代表部の協力の下、香港映画特集企画「Special Focus on Hong Kong」が開催され、6作品を上映。映画を通して日本の映画ファンに香港の活気を伝える機会となりました。同映画祭では、2012年以降6年連続で香港映画の特集が組まれています。
この特集企画のハイライトとして、3月10日に「HONG KONG NIGHT」が開催され、300人余りの映画ファンがウォン・ジョン監督の『一念無明』を鑑賞しました。
香港経済貿易代表部の翁佩雯(シェーリー・ヨン)首席代表は上映前の舞台挨拶で、『一念無明』は、香港政府が近年開始した取り組みである“ファースト・フィーチャー・フィルム・イニシアティブ”の対象に選ばれた映画プロジェクトだと説明しました。この取り組みは、才能の発掘と育成を目指し、初めての商業長編映画の製作に資金面での援助を行うものです。
「約20年前に映画発展基金が設立され、香港映画産業の長期的発展につながるプロジェクトを支援している。これまでに、政府はこの基金に総額5億4千万香港ドルを投じてきた。香港政府ではこれからも、映画産業のさらなる発展を全面的に支援していく」と翁首席代表は語っています。