ニュースリリース
財政長官、経済刺激策を発表
曾俊華(ジョン・ツァン)財政長官は本日(2月27日)、その予算演説で、2013年の香港経済は若干の改善が見込まれると述べ、一連の経済刺激策と支柱産業、新興産業の支援策を発表した。
「経済政策の最終的な目標は、統計数値を追い求めることではない。香港経済全体の規模を拡大するとともに、社会の全体的な発展を促進し、より多くのビジネスチャンスと職業機会を創り出すことで、市民が自らの理想を実現し、生活水準を改善できるようにすることだ」と長官は語った。
財政長官は香港の2012年の経済成長率は1.4%であったと述べ、2013年は1.5~3.5%の成長を予測した。
2013年の物価上昇率は4.5%、基本インフレ率は4.2%が見込まれる。
「世界は3つの側面で戦いに対峙しなくてはならない。つまり、通貨、貿易、地政学である」
「きわめて開放的で小規模な経済である香港は、これらの戦いに多少なりとも影響される」
政府は中国本土との経済一体化を進め、本土市場の発展を活用する一方、国際都市としての香港の独自性を保持するという両面戦略を推進していくと長官は語った。
財政長官は香港の支柱産業、つまり貿易・物流、観光、金融、専門サービスの発展を支援する一連の政策を打ち出した。金融分野についての提案は以下の通り:
- 政府債券計画の規模を1000億ドルから2000億ドルに拡大
- 政府債券計画の下、100億ドルを上限にインフレ連動型債券(iBond)を発行
- オフショア保険事業の法人税を減額し、より多くの企業が香港でキャプティブ保険会社を設立するインセンティブとする
- プライベート・エクイティ・ファンドがオフショアファンドと同じ免税措置を受けられるようにする
- より多くの伝統的なリテールのファンドとヘッジファンドを香港に誘致すべく、開放式投資会社モデルを可能にする法改正を行なう
観光業促進のため、政府はオーシャンパークに23億ドルを融資し、全天候型ウォーターパークの建設を加速させる。
また、政府はメガイベント基金の支援を得て、より多くの大規模国際イベントを香港に誘致すべく努める。
香港の高付加価値の物流業の発展について財政長官は、政府は青衣に約2ヘクタールの物流用地を確保したと述べた。この用地は今年上半期に公売にかけられる。
政府はまた、屯門西部にある約10ヘクタールの土地を流通施設の建設用として指定することを計画していると財政長官は述べた。これら2カ所の土地に建設される施設は、床面積30万平方メートル以上を提供し、7500の新しい職を創出する。経済効果は年間30億ドル以上と見込まれる。
香港の新興産業も後押しを得る。
イノベーションとテクノロジーに関して財政長官は、大学の技術移転を支援し、研究開発成果の実用化を促進するための追加的予算を割り当てた。各大学の技術移転担当部署を支援するため、6つの大学に3年間で最高1200万ドルを提供することを提案した。
クリエイティブ産業については、北角の油街にある旧前ロイヤル・ホンコン・ヨットクラブがビジュアルアート展示・活動センターへと生まれ変わると述べた。また、地元のアーティストによる優れた視覚芸術作品を入手するため、5000万ドルの追加予算を割り当てることを提案した。
財政長官は中小企業を支援するための一連の措置も発表した。
- 「中小企業融資担保計画」の特別優遇措置への申請期間を1年間延長する
- 「中小企業市場開発基金」により提供される助成金の累計額上限を、15万ドルから20万ドルに引き上げる
- 2013~14年度の商業登記費を免除する。これにより120万の事業者が恩恵を受ける
- 2012~13年度の法人税につき、1万ドルを上限として75%を減免する。これにより恩恵を受ける納税者は11万9000人
「今回の予算案で発表した一連の政策は、経済成長率を1.3%押し上げる効果を持つ」と長官は述べた。
「これらの措置によって我々は、経済成長を促し未来へ投資するだけでなく、雇用機会と人々の暮らしを改善し、社会各層の希望に応えられることを願っている」
「世界経済の重心がアジアへと移るなかで、香港はその独自の長所を活用し、新たなビジネスチャンスを切り開くことで新たな秩序の波に乗り、香港経済を新たな高みへと導くべきである」
以上