ニュースリリース
財政長官は長期的な財政戦略の必要性を強調する
曾俊華(ジョン・ツァン)財政長官は本日(2月26日)、長期的な財政戦略についてその予算案演説で明らかにした。
長官は、中長期的に財政赤字が構造化するリスクを回避するための3つの主な政策措置について説明した。それらは、支出増加の抑制、収入基盤の保持、未来への貯蓄である。
「長期的財政計画に関するワーキンググループの報告は、人口高齢化と労働力の減少を考慮に入れれば、経済的拡大、財政の増加は減速すると指摘した。支出が収入の伸びを恒常的な上回るようになれば、構造的赤字が表面化するのは不可避である」
「これは"手段の範囲で生活する”ことと“財政的賢明性"の重要性を思い起こさせる」
「政府は全体的な財政的健全性を視野に入れ、公共財政の持続性を保障するため、必要な措置を適切に講じる」
長官は、政府は経済発展を支えなければならず、経済成長率、財政収入と支出伸び率の均衡を図らなければならないと述べた。
「過去30年のGDP成長率は平均4.6%だった」
「人口高齢化や労働力の減少により、経済成長の契機は失われてゆく」
ワーキンググループの予想では、現状のままでは、今後20~30年間の財政収入の伸びは年率4.5%程度が見込まれる。
「予想期間の終わりにおいて、政府収入は名目GDPの19.8%規模になることが見込まれる。
ワーキンググループは、一般的な経済成長予想と人口変化に基づいて、将来の香港財政の健全性についていくつかの予想を立てた。
異なった支出伸び率に基づくシナリオでは、構造的赤字が7~15年の間に表面化する。
「その予想と分析はわれわれに警告を発しており、その問題に真剣に取り組む必要性を訴えている」
「問題を軽く扱ってはならないが、心配しすぎてもいけない」
「時期にかなった、断固とした、そして効果的な行動を取ることにより、問題の表面化を防ぐことができるとわたしは確信する」と長官は述べた。
支出を抑制するため、年次予算を準備する際、政府支出の増加に上限を設けるに際して、名目GDPの中期的予想値を用いるべきだと考えると長官は述べた。
「財政規律を保ち、より大胆な内部管理を実施し、異なる案件を適切に相殺することと合わせ、支出優先度をより厳格にするメカニズムを設けるべきである」と長官は述べた。
「政府各部署と公共部門は支出を見直し、より少ない場所により多く、の原則に基づいて支出の効率的な措置を導入すべきである」
収入基盤の保持について、長官は増税についてほとんど方法がないと述べた。
「香港の競争力保持と社会への影響を考えると、大規模な増税は考えられない」と長官は述べた。
「原則として増税措置を排除することはない」
「しかし、わたしは増税は大きな論争を巻き起こし、それを行うには包括的検討と市民との意見交換をする必要があることを理解している」
「現状、政府は人口高齢化が経済成長率に引き起こす制約をいかに克服するかに優先度を置いており、より高付加価値の部門へ経済を上昇させ、収入を確保する方法を模索する」
収入損失を防ぐため、税務当局は脱税行為と闘う法執行とITの活用を強化し、未払税の回収を目指している。
「税務局は過去3年間に140億ドル以上を回収した」と長官は述べた。
1300余りの政府費用や料金を再検討した結果、200以上の引き上げが提案された。
「引き上げは公的収入の損失を年間約6000万ドル減少させる」
長官は、政府は今年、水道料金、娯楽施設やサービスの利用料、環境衛生サービスを含む費用や料金を見直すと述べた。
香港の約7000億ドルの財政収入のうち、約2200億ドルは土地基金のバランスであり、1300億ドルは使途が特定された基金の資金である。
「一般会計に計上されるのは残余の4000億ドル程度のみである。それらは政府の日常業務を遂行するため柔軟に使われるだろう」
長官は将来に備え、他国の経験を参考にしつつ、貯蓄計画の設立を検討していくと述べた。
「財政が健全な今のうちに未来に待ち受ける挑戦を引き受けるべく果敢に行動しなければならない」
ワーキンググループは来週、香港の財政に関する「健康度チェック」の詳細な結果を発表すると長官は述べた。
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