ニュースリリース
財政長官は予算演説で競争力、生活問題に焦点を絞る
曾俊華(ジョン・ツァン)財政長官は本日(2月26日)、香港経済を拡大し、競争力を強化する広範にわたる措置を明らかにした。
長官はまた社会のさまざまな人々を救済する200億ドル(以下すべて香港ドル)の包括的措置を明らかにし、同時に高齢化と労働力人口の減少が進行するなかでの政府の予算戦略の概略を示した。
「われわれは将来に備え、現在と次の世代の存在の基礎を確かなものとするため、力を合わせなければならない」
長官は2014年の経済実質成長率が3~4%になる見通しを明らかにした。2013年の経済実質成長率は2.9%だった。
「包括的な直面する困難への1度限りの330億ドル相当の対抗措置を含め、前年予算で導入した政策は成長率を1.3%押し上げ、経済安定と雇用維持に役立った」
長官は今年度予算として120億ドルの総合収支の黒字を予想し、財政余剰金は3月末までに7459億ドルに達すると述べた。
長官は、昨年設立されたワーキンググループによる長期財政計画の分析結果を明らかにし、短期的、中期的には財政は健全であると述べた。
「しかし、長期的には政府は経済を発展させ、政府支出、収入の伸びを均衡させなければならない」
香港の競争力を強化し、効率性を高めるため、香港は包括的な戦略を必要としている。それは人、物、資本、情報の流通効率を改善するだけでなく、生活環境の質を改善し、国際ハブとしての地位を向上させるものでなければならない」
2014~15年の資本支出は、資本建設の708億ドルを含む862億ドルが見込まれる。建設中のインフラ事業は新規の道路、鉄道、空港施設、観光施設、病院、土地開発、環境設備等が含まれる。
土地供給について、約1万4000戸の民間住宅を提供可能な36の住宅用地が今年度に売却予定である。これは2000~01年以来最大の数である。
今年度の政府の土地売却収入は841億ドルが見込まれる。これは当初予想を21.9%、約151億ドル上回る。
長官は香港の支柱産業である金融、観光、専門サービス、貿易、物流をさらに発展させる一連の措置を提案した。中小企業支援に関する現在の政策は延長されるか改善される。
長官は市民の負担を軽減する5つの救済措置を発表した。
- 1万ドルを上限として、2013~14年の個人所得税と個人所得の下での課税を75%削減する。これにより174万人の納税者が恩恵を受け、政府負担は約92億ドルとなる。
- 1万ドルを上限に、2013~14年の企業所得税を75%引き下げる。政府は約10億ドルを負担する。
- 各四半期1500ドルを上限として、2014~15年の最初の2四半期の不動産税を免除する。政府負担は61億ドルとなる。
- 賃貸公共住宅の1ヵ月の家賃を免除する。政府負担は約10億ドルとなる。
- 総合社会保障受給者、高齢者補助、高齢者生活補助、障害者補助の各受給者への補助額をそれぞれ1ヵ月分増額する。政府は27億ドルを負担する。
「本予算の他の諸政策と合わせ、これら財政措置はGDPを0.7ポイント引き上げる」と長官は述べた。
先月の行政長官の施政方針演説で明らかにされた政策を実現するため250億ドルを追加支出する。
「市民の期待に応えるため必要な手段を早期に実施する財政資源があることをここに保障する」
教育は支出の中で最大の単一費目であり続ける。2014~15年度の経常支出は671億ドルであり、1997~98年比で約80%増にのぼる。
政府は高齢者サービスへの支出を増加させるため、次の予算年度から6億6000万ドル以上を追加支出する。具体的には、
- 虚弱な高齢者の自宅での生活を支援すべく、「改善在宅・コミュニティケアサービス」を1500人分増枠するため、約1億7000万ドルを割り当てる。
- 51の高齢者社会センターを近隣高齢者センターに格上げするため1億6400万ドルを支出し、人的支援を強化する。
- 「改善入居枠購入計画」と「養老院入居枠購入計画」の補助レベルを引き上げるため約2億ドルを準備する。
- 補助高齢者在宅ケアの950人分の増枠費用として1億2000万ドルを割り当てる。
以上