ニュースリリース
施政方針演説は経済、住宅、人口政策が焦点
CYリョン行政長官は本日(1月14日)、その施政方針演説で、経済振興、住宅供給の増加、香港市民の潜在性の発揮に関する新たな政策を公表した。
行政長官は同時に、貧困の軽減、高齢者ケア、環境保護、医療、教育、青少年の発展に関する政策も明らかにした。
政治制度発展は、基本法および全人代常務委員会による関連する解釈や決定に沿って進められなければならないと、リョン長官は強調した。
長官は、市民が先週から始まった2カ月間の意見募集期間を有効に活用して、理性的かつ実際的なやり方で問題を議論し、合意を形成することを誠実に願うと述べた。
住宅問題については、より多くの住宅と商業施設開発のための土地放出に関して包括的な努力がなされている旨が報告された。また、10年間に48万戸の住宅を提供する目標値が示された。
また、退職年齢の延長、地元労働力の活用、香港外からの人材誘致、女性および恵まれない人々の労働参加等の計画を含む、人口変動がもたらす新たな挑戦に取り組むための5つの戦略を発表した。
経済について長官は、貿易、金融サービス、運輸、観光、専門サービスの5つの支柱産業とは別に、政府の支援を受けるべき小規模新興産業が数多く育ってきていると述べた。
規模にかかわらず、香港の産業は中国本土とその他の世界を結ぶ「スーパーコネクター」としての役割について共通の優位性を有していると述べた。
「経済発展において、香港は中国本土とその他の諸外国の双方とより強力な関係を構築することに注力すべきである」と長官は述べた。
最近の広東省とのサービス貿易の自由化合意に関連して、長官は本年末までに中国本土の他の地区とのサービス貿易の基本的自由化達成について引き続き努力すると述べた。
香港政府は南沙、前海、横琴の試験的自由貿易区計画に関して、香港市民と香港企業が発展機会を最大限に得るべく、広東省と積極的に協議していく。
また、アジア地域に新しく香港政府経済貿易代表部の事務所を設立する。
長官はまた、金融サービス産業を多様化し、世界の主要な金融センターであると同時に、中国の主導的な国際市場としての香港の二元的な役割をさらに進化させる余地は大きいと述べた。また、独立的な保険業監督管理局を設立すべく、5億ドルを確保する。
船舶管理、ブローキング、チャーター、金融、海上保険、海事法、仲裁、支援等を含む海運業について、「きわめて大きな成長余地を残している」と長官は述べた。
政府は香港の海運業の発展を促進すべく、新たな海運発展組織を設立する。また、香港海運発展局の機能を改善し、同産業の高付加価値化と特に高付加価値部門を担う人材養成を図る。
啓徳クルーズターミナルに隣接する「ホテル・ベルト」におけるホテル開発と歩調を合わせ、空港跡地の滑走路と南エプロン部分でインフラ事業を始動する。香港ディズニーランドの第2期開発についての話し合いを始める。
沙田-セントラル路線の会議展覧駅の上部への新たなコンベンションセンターの建設を検討する。
政府は新たな研究開発施設を開発すべくサイエンスパークの空き地を最適利用する。サイエンスパークは現在、約500の関連企業を収容し、1万以上の技術関連職を創出している。2016年に第3期がすべて運営開始されれば600以上の会社を収容することが可能になる。
長官は、イノベーションと科学技術の持続的かつ包括的な支援として技術革新・科学基金に50億ドルを注入すると提案した。また、民間企業の研究開発計画を資金面から支援すべく企業支援計画を設立する。
就労者の貧困問題に取り組むため、低収入勤労者世帯手当を年間約30億ドルで実施する。この措置により17万人以上の子どもと青少年を含む71万人、20万以上の低所得世帯が恩恵を受ける見込みである。立法会財務委員会の予算承認から18カ月以内に実施される。
長官は2億ドルを確保し、短期食糧支援サービスを2017年末まで2年間延長すると発表した。
退職後の保障について、社会には多様な意見があるので、貧困に関する委員会が今年後半に市民への諮問を実施する計画であると述べた。
退職後の支援を必要とする市民の保護制度は改善されるべきとし、財政長官に500億ドルを今後の必要のために割り当てるよう命じた。
政府は、「高額料金」と「基金選択の困難」に関する懸念を解消すべく、料金を管理する「核心基金」の実施を含め、強制年金基金(MPF)を引き続き改善する。
高齢者のためのコミュニティケアサービス試験計画としてサービスバウチャー3000枚分として8億ドルが支出される。バウチャーは2015~16年から2017~18年まで3年間にわたり発行される。
精神疾患、かつて精神疾患を患っていた者、特殊な教育が必要な子どもとその家族などを含む、真に支援を必要とする家族と子どものためにより多くの資源が投入される。
大気の質を改善すべく、遠洋航海船舶が香港に停泊する場合は燃料を低硫黄ディーゼルに変えることを義務付ける法案を提出する。また、2015年末までに低排出バスのみが運行を許される低排出ゾーンをコーズウェイベイ、セントラル、モンコックに設ける。また、バス会社は一階建て電気バスの試験運行を2015年半ばに実施する。
リサイクル産業の持続的発展を支援すべく、リサイクル産業の運営能力を高め、リサイクル量を増やし、処理物の質を改善し、販路を安定化させるべくリサイクル基金を導入する。
長官はまた、比較可能な運営条件の下で、今後5年間に政府ビルで電気消費量を5%削減する新たな目標値を定めた。
以上