ニュースリリース

行政長官、施政方針演説で住宅と土地供給を増やすための計画概要を説明

2015年1月14日

CYリョン行政長官は本日(1月14日)、その施政方針演説で、「土地供給の増加と迅速化が香港の土地、住宅問題の根本的解決策である」と述べた。

土地利用の見直しを行った結果、住宅用として150の用地が特定されたとし、45の場所については法定計画の改定作業が始まっているとリョン長官は述べた。

また、当初の使途には必要とされなくなったいくつかの大規模な敷地についても、今後10年間に公共、民間を合わせ48万戸の住宅を供給するとの政府目標の観点から、住宅用地、または他のより緊急性の高い使途にあてる用地に変更された。

土地利用を最適化するため、政府は適宜、開発密度を高める。今期政府の発足以来、都市計画委員会は26の住宅敷地の開発密度の引き上げ申請を承認し、住宅約3500戸の追加供給につながったとリョン長官は述べた。

啓徳開発地区では、現在承認されている1000戸を含め少なくとも6800戸の住宅が供給される。また商業用途で、および43万平方メートルの床面積が提供される。

ダイヤモンドヒルズの旧占拠区と旧チャコリンカオリン鉱山、およびラマ採石場の開発により、約8000戸の公共、民間住宅が供給される見込みである。

アンダーソン・ロード採石場の住宅用地は2019~20年にも開発が始められる状況が整い、9000戸以上の公共、民間住宅が提供される。ラムテイ採石場とその隣接地では今年、土地利用調査が開始される。

リョン長官は、2014~15年の民間住宅用土地供給により2万戸以上の住宅の提供が可能となり、これは政府が2010年に民間住宅用地供給目標を導入して以来、最多であると語った。

MTRは最近、西部鉄路の元朗駅での不動産開発事業計画を完成させたが、同計画で約1880戸の住宅提供が可能となる。昨年同社は、約6100戸を供給する3つの事業を入札にかけた。

西部鉄路のカムシャンロード、カムティン南のパトハンメインテナンスセンターで引き続き住宅開発が進んでおり、約8700戸が供給される見込みである。近接地での土地利用に関する初期検討によれば、同地で約2万5000戸の供給が可能となる。

リョン長官は商業用地の供給増も優先事項であると述べた。

政府は引き続き中心業務地区の適当な土地を商業用途に転換していく。それは例えば、セントラルのマレーロードおよび上環のラムジーストリートにある立体駐車場であり、合わせて床面積7万6000平方メートルを供給する。

モンコック市場跡地は商業用途に転換され、床面積約6400メートルが供給される。またキャロラインヒルロードにある政府所有地の転換も、できるだけ早く実施される。

九龍東は床面積約500万平方メートルの商業用地とオフィス用地を供給する可能性があるとリョン長官は話した。

ランタオ島東水域の東ランタオメトロポリス計画の初期的研究がまもなく始まる。同地区は新たな中心業務地区となる。

リョン長官は、住宅問題は香港が直面している“最も深刻な”暮らしの問題であると述べた。政府は住宅委員会、住宅協会、都市再開発局、香港住宅会社などの公共または非営利組織と協力して、補助金適用分譲住宅の供給を増やす方策を探っていると述べた。そうすることで、低・中所得世帯の住宅に関する選択肢とマイホーム購入の機会が増える。

先月公表された長期住宅戦略は公共賃貸住宅の建設目標を、今後10年の間、一年あたり約2万戸と定めた。

2014~15年度から2018~19年度まで、約7万7000戸の公共賃貸住宅が完成見込みである。2015~16年度には2万3000戸が入居可能な状態になると見込まれる。住宅委員会は持ち家計画(HOS)の下、2015~16年度に2700戸を、2016~17年度に2000戸を事前販売する。また、住宅協会も2016~17年度に1600戸の補助金適用分譲住宅を事前販売する。そのうち1000戸は沙田に立地する。ツンクワンオーと屯門の2つの敷地は、住宅協会が約600戸の住宅を建設する用地として確保されている。

社会の様々なニーズを満たすため、行政長官は住宅委員会に対し、建設中の公共賃貸住宅のうち適した物件について、「緑色の書式」の申請者への持ち家計画(HOS)より低価格での売却について、実験的計画を提案した。

中長期的にはクントン北、ファンリン北新規開発地区が住宅と土地供給の重要な源となる。これらの新規開発地区は約6万戸の住宅を供給し、そのうち60%が公共賃貸住宅と持ち家計画向け住宅となる。第一群の住宅は、2023年から段階的に完成する予定である。

香港-珠海-マカオ大橋と屯門-チェクラプコク連結路により、東湧が珠江デルタと広東省西部の交通の要衝と位置づけられるだろうとリョン長官は語った。東湧ニュータウン拡張部では、住宅約4万8000戸が提供される。東湧東部には商業ハブが設立される。

都市再開発局によるサンシャン道/パウチュンストリート、クントン・タウンセンター(開発区2および3)事業、およびハイタン道での二つの合弁事業は2700戸を供給する。

屯門のランクゥタン埋め立てについて、計画・技術研究が始まる。政府が計画する沙田汚水処理施設とほか3つの施設の岩窟への移設により、34ヘクタールの土地が開発用地として解放される。また、4つの地区での地下空間開発に関する試験的研究が今年年初から始まる。

ランタオ開発諮問委員会は、ランタオ島の経済的、社会的発展について引き続き検討し、空港の3滑走路方式、香港-珠海-マカオ大橋および地域で実施されるその他の戦略的インフラ事業を最大限に活用する方針である。今年は、タイオーおよびムイオーの再活性化、マウンテンバイク用トレイル建設のような短期的プロジェクトが始動する。

行政長官は、今期政府は長期にわたる土地供給不足という問題の解決に全力を傾けると述べた。政府は社会の各方面の人々と多者協議を重ね、共同して問題解決に当たる。

リョン長官はまた、民間住宅市場には今後3、4年間で過去最高の約7万4000戸が供給されると述べた。

過去5年間、民間部門は年間平均約1万1400戸を供給した。今後5年間に民間部門は約30%増の年間平均約1万4600戸を供給する。

政府は建設業評議会に一億ドルを注入し、人手不足が深刻な建設業界における熟練労働者の育成を支援する。

地元作業員を優先させるため、建設業求人センターが設立される。同センターでは地元建設作業員のためのキャリア相談サービス、現地就職面接、就職フェア等を提供する。

政府はまた、建設業における熟練労働者への高い需要を満たす方法について検討する。それには例えば、労働力配置の柔軟性を高め、生産性を最大化し、費用を効果的に抑えるために、様々な公共事業で香港外からの熟練労働者を活用するなどの方法が考えられる。

以上