ニュースリリース

2017年施政方針演説で経済発展と市民生活の改善を図る計画を発表

2017年1月18日

梁振英(CY・リョン)行政長官は本日(1月18日)、その2017年施政方針演説で経済発展と市民生活の改善に関する諸計画を発表した。

長官は自身にとって5回目かつ最後となる施政方針演説「機会を活用し、経済を発展させ、市民の生活を改善し、共生社会を築く」において「経済発展を通じてのみ市民の暮らしは改善し、社会的調和や包容性が促進されると信じている」と述べた。

経済的側面に関して長官は、第13次5カ年計画と「一帯一路」は金融、専門サービス、技術革新において香港に新たな機会を提供すると述べた。

香港政府は、金融発展局が提案する香港の金融市場と金融サービス業に関する税制、法規、人材育成等を積極的に検討し、実行可能な措置を取ると長官は述べた。

また、政府は金融サービス業の対外プロモーションを強化すべく香港貿易発展局に協力を求めるとした。

長官はまた、香港の強みや優位性を周知させるため、政府のネットワークを中国本土や諸外国に拡大する計画を明らかにした。初期的計画として、経済貿易代表部をインド、メキシコ、ロシア、南アフリカ、UAEに新設すると述べた。

中国本土では、今年半ばまでに香港政府の活動を支援する連絡事務所を天津、浙江、広西、陝西の4カ所に新設する。これにより、中国本土の連絡事務所は、今期政府の始動前の3カ所から11カ所に増加する。

「一帯一路」構想の“スーパーコネクター”としての香港の役割を存分に果たすため、長期的戦略の立案と実施をめざし、「一帯一路」事務所にさらに多くの人材を割り当てる。香港と「一帯一路」沿線の国々は、人の移動を円滑化し、人と人とのつながりを促進するためビザ要件の緩和を検討すると述べた。

長官は香港のI&T(技術革新・科学技術)エコシステムを活発化させるため、180億ドルを投じたと述べた。さらに、地元香港および中国本土や諸外国からのI&T企業を誘致すべく、税や財政面での負担軽減やその他の優遇策を検討することを明らかにした。

長官は香港の必要を満たし、産業発展と再工業化の推進につながるより実践的な橋渡し研究開発活動に従事するよう大学に要請すると述べた。

香港科技園社が香港サイエンスパーク隣接地に、インキュベティーやスタートアップの従業員向けに賃貸型の住居や作業空間を提供する「InnoCell」を建設することを支援する。

住宅供給に関して、長官は今後3~4年に供給される新築住宅は9万4,000戸となる見込みであり、それは今期政府の始動時の見込みより45%多いと述べた。

公共住宅については、2016年度から5年間に住宅委員会と住宅協会により約9万4,500戸の建設が予定されていると述べた。

土地の用途変更と開発密度の増加を通じた短中期的な土地供給により38万戸以上の住宅建設が可能になる一方、中長期的には、新たな地区開発と既存ニュータウンの拡張により、床面積にして860万平方メートルの工業・商業用スペースと22万戸以上の住宅が提供される見込みであると長官は述べた。それらは、6年から10年以内に居住可能となる見込みである。

長官はさらに高齢者を支援し、退職者を保護し、医療サービスを改善するための一連の政策を明らかにした。

まず、「高齢者生活手当」(OALA)制度を改善する。月額補助額を約3分の1引き上げ1人当たり3,435ドルとする。資産上限の緩和策などもあり、これらの措置により資金援助の必要性の高い約50万人が初年度に恩恵を受ける。OALAのカバー率は47%に上昇する。

「高齢者コミュニティケアサービスバウチャー試験計画」も改善され、バウチャーの受給可能年齢を70歳から65歳に引き下げる。これにより新たに40万人が恩恵を受ける。また、年齢75歳以上の資格のある高齢者の公立病院と診療所の費用無償化を進める。

政府は、高齢者のためのコミュニティケアおよび施設入居ケアサービスに関するバウチャー発行枚数を増やすほか、福建省在住で資格のある高齢者に月々の高齢者生活手当を支給する「福建計画」を導入する。

退職後の保障について長官は、強制年金基金(MPF)の積立金と、退職金または永年勤続褒賞金との“相殺”を段階的に廃止すると述べた。政府はまた、MPFを改善するほか、労働時間に関する政策方針を示す。

医療サービスについて長官は、2017年度において病院管理局の経常支出財源として20億ドルを追加提供すると述べた。これにより病床の拡大や手術室の拡充、緊急外科治療、内視鏡検査、放射線治療、さらに一般外来および専門外来での診察など、拡大を続ける医療サービスへの需要に対応する。

さらに政府は、将軍澳での中医学医院の建設に資金を提供するほか、衛生署が管理する政府中医薬検査研究所の設立計画を進める。

以上