6月20日、啓徳(カイタック)クルーズターミナル(KTCT)は開港以来、同ターミナルに停泊した中で最大のクルーズ船となるクァンタム・オブ・ザ・シーズ号を迎え入れました。
入港記念式典で蘇錦樑(グレゴリー・ソー)商務経済発展長官は、政府は香港におけるクルーズ観光の発展に向けて、投資を行っていく姿勢を強調。「クァンタム・オブ・ザ・シーズ号の入港は、香港のクルーズ観光の発展における重要な節目となり、香港には超大型客船を受け入れる能力があることを証明するとともに、国際的なクルーズ会社の香港市場への信任を明確に示した」と述べました。
2013年に完成したKTCTは、総トン数22万トンに上る超大型クルーズ船を2隻同時に停泊させることができます。香港政府はKTCTの交通アクセスを含めた周辺インフラの整備を引き続き後押しすると、蘇長官は語っています。
香港のクルーズ業界振興のため、政府は継続的に少なからぬリソースを投じる方針です。香港政府観光局が世界中で香港をアジアのクルーズハブとしてPRしているほか、さまざまなクルーズ会社と共同で寄港地としての香港の魅力を伝えるキャンペーンも行われています。
蘇長官は「こうした政府の姿勢を踏まえ、より多くのクルーズ会社が香港を日程に組み込んでいることをうれしく思う。2014年、KTCTにはクルーズ会社8社の客船が寄港したが、2015年は10社、2016年には17社を見込んでいる」と述べました。
一方、香港政府観光局は昨年、アジア市場へのクルーズ誘致を目指す近隣の港との戦略的同盟として「アジアクルーズファンド」(ACF)を立ち上げました。クルーズ協力基金であるACFには現在、香港、台湾、海南、フィリピンがメンバーとして参加。同観光局では日本や韓国の港をはじめとする地域の他の港の参加を促し、ネットワークの拡大に努めています。
香港発あるいは香港経由のクルーズが日本の港に向かうことも多く、昨年はそうしたクルーズの26%が福岡、広島、鹿児島、神戸、那覇や横浜等を訪れています。今年は34%に増えると見込まれており、今後さらに多くのクルーズが香港と日本各地の魅力ある港を結ぶと期待されます。