香港特別行政区の曾俊華(ジョン・ツァン)財政長官は、2月24日に発表した2016~17年度政府予算案において、「一帯一路」構想は長期的な発展に向けた戦略であり、「一帯一路」沿いの新興市場は香港の将来的な発展の新たな機動力になるだろうと述べました。
香港政府は引き続き、これらの新しい市場に関するビジネスセクターやコミュニティの理解を深める取り組みを進めていきます。曾長官はまた、今年中にビジネスミッションを率いて中央アジアを訪問し、同地域における開発の可能性や事業機会について直接探る予定です。
香港金融管理局はインフラ融資の促進を図るべく、オフィスを新たに開設し、投資家、銀行、金融部門の取り組みを結集させ、各種インフラ事業への包括的な金融サービスを提供するプラットフォームを構築します。一方、政府と香港貿易発展局は第1回「一帯一路サミット」を共同開催し、協力の機会や香港が果たしうる独自の役割について議論、検証を行います。
さらに曾長官は、香港の商業・貿易ネットワークを拡大し、香港企業がより有利な条件で中国本土や海外市場にアクセスできるよう、政府は貿易・投資協定の締結を促進していくと述べました。
長期的な航空需要に応え航空ハブとしての香港の競争力を維持するべく、香港空港管理局は3滑走路システムの実現を進めています。
また、政府は今後も香港と中国本土の資本市場への相互アクセスを促し、より多くの企業の財務統括拠点を香港に誘致するとともに、香港の資本市場のPRを強化し、グリーン金融商品を開発していくと曾長官は語りました。
加えて、政府は香港におけるフィンテック(IT技術を用いた新しい金融サービス)の開発および活用を推進し、香港投資推進局(インベスト香港)の専門チームが国際的なイベントを開催し、フィンテック関連のスタートアップ、投資家、研究開発機関の香港への進出を後押しする、とも述べています。
クリエイティブ産業について曾長官は、香港は引き続きその健全な発展を支援すると述べました。これには「クリエイトスマート計画」への4億香港ドルの支出を通じ、スタートアップ支援および人材育成を優先的に行うことが含まれ、ファッション、デザイン、映画産業などについてもさまざまな振興策の立ち上げや強化が予定されています。
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