作品詳細
※作品名の下に記載されている数字は、作品と実物のスケール比です。
Hong Kong Street
(1:76)
わが街、香港
せわしなく行き交う人々、林立する新旧の建物、道にせり出した看板で彩られた繁華街、大通りも路地も隈なく走る2階建てのバスやトラムは、香港の街中で見られる典型的な風景を形作る。1/76スケールで作られたこの作品では、愛する街、香港のユニークで活気あふれる情景を再現している。Stilt House on Tai O
(1:76)
今も残る大澳の変わらぬ風景
ランタオ島の南西部にある大澳(タイオー)は「香港のベニス」とも称される漁村で、エビをペースト状にした調味料や海産物の干物などが有名。木や石の柱を打ち込んで建てられた棚屋と呼ばれる水上家屋が水路に並ぶ様は、どこか懐かしくのどかな風景である。作品の水面に映る棚屋は、本物と見紛うほどの出来である。Tai O Heritage Hotel
(1:35)
大澳ヘリテージホテル
1902年に建てられたコロニアル様式の旧大澳(タイオー)警察署は、改修を経て高級ホテル「大澳ヘリテージホテル」として生まれ変わった。第2級歴史的建造物に指定されており、2013年にはユネスコの「アジア太平洋文化遺産保全賞」功績賞を受賞している。中国式の瓦屋根、木枠のフランス窓やアーチ型のファサードに加え、看守台を残して設計されたガラス屋根のレストランやかつての留置所を利用したフロントなど、当時の造りを活かしている。Victoria Harbour
(1:750)
香港の象徴、ビクトリアハーバー
香港が「東洋の真珠」と呼ばれる由来となり、香港の経済、歴史、文化を象徴するビクトリアハーバー。
完成に2年を要した本作品は、海鳥を真似た形の香港コンベンション&エキシビションセンター、2011年完成の香港政府総合庁舎、幾何学的デザインが目を引く中国銀行タワー、香港証券取引所があるエクスチェンジ・スクエア、香港で2番目に高い香港国際金融中心(IFC)など香港の代表的な建物40棟の灯りが夜空を輝かせ、香港の歴史を象徴する伝統的な木造帆船「鴨霊号(ダックリング号)」や120年以上にわたり九龍半島の南端と香港島との間を結ぶスターフェリーが海の上を進む様子を描いている。世界的に有名なビクトリアハーバーの夜景をバックに、香港チャイニーズオーケストラが奏でる音楽に合わせて花火が打ち上がり、香港特別行政区の25周年を祝っている。
ビクトリアハーバーの作品の隣では、香港チャイニーズオーケストラ(香港中楽団)のミニチュアが音楽を奏でています。
1977年創立の香港中楽団は、香港で唯一のプロフェッショナルかつフルサイズの中国楽器オーケストラであり、しばしば世界中の有名な会場や国際的な音楽祭に招かれ、公演を行っています。
Lan Kwai Fong
(1:24)
国際色豊かなナイトスポット
蘭桂坊(ランカイフォン)は香港で最も人気があるナイトスポットの一つで、数々のレストラン、クラブ、バーが軒を連ね、地元民から駐在員、観光客まで多国籍の人々が集まるエリア。ハロウィン、クリスマス、大晦日などには多くの人で混み合い、賑やかで楽しい雰囲気に包まれる。
作者は構図と配置を細かく計算した上、3Dモデル技術を用いて人物の表情までをも作り込み、蘭桂坊の活気を醸し出した。人混みの中で踊っているカップルと双子を探してみよう。ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』の主人公と、ホラー映画『シャイニング』の幽霊を模したものだ。
Xiqu Centre
(1:100)
戯曲センター
2009年にユネスコの無形文化遺産に登録された粤劇 (広東オペラ)。香港政府はこの伝統芸能の振興を支援しており、2019年、より多くの人々に粤劇を楽しんでもらうため西九龍文化地区に戯曲センターをオープンした。この舞台芸術施設の印象的なデザインは、伝統的な中国のランタンからインスピレーションを得たもので、建物正面の入口は舞台の幕が開いた様子を表している。
1,000人超を収容するグランドシアターは、地下鉄などの振動や騒音を避けるため1階のアトリウムを挟んで地上27メートルに設けられている。今年1月にはグランドシアターで粤劇の代表作『帝女花』が上演された。
作者は、戯曲センターの設計者の一人で香港生まれの建築家である譚秉榮氏に敬意を表し、このプロジェクトで協働した建築家の呂慶耀氏とともに自身の作品を見つめる譚氏の姿を作成した。譚氏は2016年に香港に訪れた際に急逝したため、故郷で自らの作品が完成するのを見届けることは叶わなかった。
Stone Slab Street
(1:12)
露天商が並ぶ石畳の通り
「石板街」とも称され、第1級歴史的建造物に指定されているポッティンジャー・ストリートは、1858年に政府が香港の初代総督、ヘンリー・エルドレッド・ポッティンジャー卿にあやかって命名した。石畳を凸凹に配置することで、雨水が道の両端に流れるようにしている。緑色の露店で金魚や花、革靴などが売られているが、どれも作者が手作りしたもので、細部までまるで本物のようだ。Lee Tung Avenue
(1:35)
東西と新旧が交差するレイトンアヴェニュー
湾仔(ワンチャイ)にあるレイトンアヴェニューは、香港の特徴である東西と新旧の融合を具現化している。ヨーロッパ風の建物に唐楼(中国式の低層建築)によく見られる窓格子があしらわれ、道行く人の頭上には赤いランタンが飾られている。伝統的な獅子舞とLEDを使用した現代的な舞火龍(ファイヤードラゴンダンス)のコントラストも興味深い。バーの外では、人々がテレビのサッカー中継で盛り上がる様子が見える。Fung Kiu Embroidery
(1:12)
伝統的な手刺繍工房
伝統的な婚礼衣装「裙褂」は2013年に香港の無形文化遺産に指定されており、その精巧で華やかな刺繍はすべて熟練の職人の手によるものである。作者は裙褂や婚礼寝具を作るための布地を探し求め、裙褂を収めるケースや金の装身具も細部にわたって作り込んで、ようやくこの作品を完成させることができた。Newspaper Stand
(1:12)
新聞・雑誌の売店
1960~70年代、新聞や雑誌、タバコを買いたいなら、飲茶の店に行けばよかった。店の前には必ずと言っていいほど、「報紙檔」があったからで、その数は全盛期には100を超えた。店に入る前に新聞を買い、飲茶をしながら読むのが当時定番のパターンだったが、現在は飲茶店の多くがショッピングモール内に移転し、報紙檔もコンビニに取って代わられている。毎朝、飲茶を楽しみながら新聞を読むという香港人の習慣も徐々に忘れられ、若者たちは朝早く飲茶をすることもなく、ニュースはスマホで読むようになった。報紙檔の人気は薄れ、次第にその姿を消しつつある。A Daily Scene of Tuen Mun Tai Hing South Station
(1:87)
屯門・大興南駅の日常風景
新界北西部にあり、都会の喧噪から離れたのどかな海辺の風景が広がる屯門(テュンムン)。 1960年代、香港政府は急増する人口に対応するため、屯門でニュータウン開発に着手した。その中でも大興団地は現存する最古の公営住宅であり、6棟ある十字型の建物は特徴的なデザインの斜面を備えている。また、路面電車の軽鉄(ライトレール)は、ニュータウン住民の足となる重要な交通手段だ。作者は文献資料に現地調査、写真撮影を通じて、団地、ライトレールや道路を忠実に再現し、さらには街灯、人物、駅のディテールを加えることで、ニュータウンにおける「住」と「交通」の日常風景を捉えている。